ミニマル・アートの代表的作家、ドナルド・ジャッドが私有していた温泉。
ここでは、温泉を引湯したキャビンに泊まってください。
遠回り必須
チナティ温泉はテキサス州の西の端、メキシコとの国境付近の行きにくい場所にあります。
最寄りの大きな町はマーファ。
ドナルド・ジャッドによって設立された現代美術の美術館、チナティ・ファウンデーションがあることで有名です。
温泉の公式サイトにも書いてある通り、ここではGoogleマップはまったく当てになりません。
マーファからの最短経路であるPinto Canyon Roadは、普通の車では走破できない悪路です。
プレシディオまでいったん南下してからメキシコ国境沿いを北西に戻り、砂漠の中のホットスプリングス・ロードを通って温泉を目指します。
先住民に利用されていた温泉を含む土地が、白人入植者によって取得されたのが1898年。
1937年にはキングストン温泉として商業化されました。
1990~97年の間は、戦後のアメリカ美術にもっとも変革をもたらたした芸術家の一人といわれる、ドナルド・ジャッドによって所有されていた過去があります。
2005年に現オーナーになってからは、日帰り利用お断りの宿泊施設となりました。
施設にも周辺にも食事処はないので、食料を持ち込んでコミュニティーキッチンで自炊することになります。
幸い、ありとあらゆる調理器具と食器類がそろっていました。
建物のもう半分は、共用のダイニングルームになっていました。
温浴槽付きキャビンはこれだ!
七つあるキャビンは、どれもキングストン時代から少しも変わっていないように思える素朴な雰囲気。
そのうち、温泉付きの浴槽があるのはEl Corazón、Número Uno、El Patrón、El Presidenteの四つ。
ちなみにこちらはEl Presidenteの裏手、泉源の真横にあるバスハウス。
キャビンの客でなくても、自由に使っていいように見えました。
El Presidente専用の浴室はこれとは別にあって、同様のタイル張りの内風呂です。
こちらはEl Corazónに付属する内風呂。
小振りな鋳物ホーロー浴槽が一つ。
配管がつまっていたのか、源泉の投入量がかなり絞られていたのが残念でした。
こちらはNúmero Unoのキャビン内部。
Número UnoとEl Patrónの温泉は、それぞれ屋外に設けられていて、よく似ています。
二人サイズの金属製のたらい。
そこに39℃の源泉を勢いよく投入。
シンプルな中に、ふわっと硫化水素臭が香るのが好印象でした。
砂漠の朝晩は冷え込むので、贅沢に掛け流しにして身体を温めました。
二つの屋外プール
敷地のもっとも高台にあるのが冷たいプール。
夏季限定なので、私が訪れたときはリノベーションでした。
円形の温泉プールは24時間利用可能。
水面に浮かべられたプラスチック製の保温カバーを取り外して、近くのピクニックテーブルに立てかけました。
泉温が低めなので、こういう工夫がうれしい。
このプールでは水着着用が必須。
日帰り入浴お断りのため、落ち着いた環境で入浴できました。
まとめ
Chinati Hot Springs, Presidio, Texas, U.S.
私の好み
種類:宿泊
ルール:温泉付き客室、水着着用
塩素消毒:感知せず
泉温:~39℃