かけ流しっていうレベルじゃねぇぞ!
などと意味不明な歓声を上げていた私を、イエローストーンのバッファローやエルクは、冷ややかな目で見ていたかもしれません。
注意
この人気スポットは、COVID-19ガイドラインに基づき、別途通知があるまで閉鎖されています。最新の情報はイエローストーン国立公園のサイトをご確認ください。
イエローストーンの地獄めぐり
一万を超える温泉などの地熱活動が見られる、イエローストーン国立公園。

それらすべてに湯小屋を設置したなら、アメリカは一躍世界トップレベルの温泉大国に躍り出ることでしょう。

残念ながらほぼすべての泉源では、眺めることしかできません。

イエローストーンは言うなれば、別府温泉地獄めぐりのデラックス版なのです。

たとえ入浴できなくても、温泉ファンにとってはどれだけ時間があっても足りない聖地といえます。

そんなイエローストーンにも、公式に入浴が許可されている場所があります。
文字通りの沸騰
国立公園の北の玄関口、モンタナ州のガーディナーには手ごろな宿泊施設が集中しています。

ガーディナーから南へわずか10分弱のドライブで、ボイリング・リバーの駐車場に到着。
案内板のある辺りがちょうど州境で、温泉のある方角はワイオミング州に属しています。

片道10分程度のハイキング。
エルク(アメリカアカシカ)が至近距離にいて緊張したこと以外は、歩きやすい道のりでした。

遠くに見えていた白煙が近付いてきて、気分が上がってきました。

文字通り、ボイリング(沸騰する)川。

実際の泉温は約60℃なので沸騰こそしていません。
ただ、地中から湧き出す熱水の量が非常に多く、水面が逆巻いて迫力がありました。

泉源は、北へ向かって流れているガーディナー川の左岸に存在しました。

温泉の川は並行する形で百メートル弱北上して、最終的にガーディナー川と合流していました。

二つの流路が合わさって適温になる地点で、入浴できるというわけです。

早朝・夜間の立ち入りは危険防止のため禁止。
水着着用は必須です。

湯の川と冷たい川を仕切る堤防部分に、遊歩道が続いていました。

遊歩道はそのまま、ガーディナー川まで続いていました。

この日の気温は氷点下で、川の水は数秒で足先の感覚が失われる冷たさ。
見事な石灰華ドームを見上げて、感銘を受けているような心の余裕はありません。

とにかく冷たい、寒い!
早く温泉に浸からないと……

アッー!
60℃の熱水を浴びて完全に負傷。



しゃく熱と極寒の間で逃げ惑う私。
これほど流れが急だと、適温が維持される場所なんてほとんどありません。

かけ流しっていうレベルじゃねぇぞ!
思わずそう叫んだ私は、心の底から楽しんでいました。
まとめ
Boiling River Hot Springs, Yellowstone National Park, Wyoming, U.S.
私の好み
種類:野湯(要入場料)
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~58℃