ロサンゼルス市内に現存する唯一の天然温泉。
都会的なスパ・サロンながら、源泉はホンモノでした。
ビミニ・ホットスプリングス
ロサンゼルスのコリア・タウン地区は、ある種の温泉街だった時代があります。
Third StreetとVermont Avenueの交差点付近。
ミッション・リバイバル様式の壮麗な浴場が印象的なビミニ・ホットスプリングスは、1903年に開業し1951年に廃業しました。

韓国系移民が集住する以前の湿地帯で石油掘削が行われ、その過程で発見された源泉が使用されていたといいます。
今日では公園と通りの名前にビミニの名前を残すのみで、その痕跡はほぼ消滅しています。


ワンダー・ウォーター
同じコリア・タウンで今なお奇跡的に営業しているのが、ビバリー・ホットスプリングス。
あの有名な高級住宅街ビバリー・ヒルズから東に延びるBeverly Boulevard沿いの温泉施設です。

外見は温泉施設というより、ラグジュアリーなスパ・サロンに見えました。
実際、15歳未満の利用は禁止されており、各種トリートメントを売りにしています。

入浴のみの利用も可能です。
浴室は男女別になっており、水着着用は任意。

ビミニ・ホットスプリングス同様、温泉の歴史は古く、1910年に石油掘削業者によって発見されました。
1920年代には宅地開発のためいったん埋め戻され、1931年に「再発見」された経緯があります。

温泉水は瓶詰めされ、効能のある飲料水『ワンダー・ウォーター』として販売されていました。
現在のような韓国式スパが設立されたのは1984年。

やや窮屈で閉鎖的な雰囲気のある都会型のスパながら、浴室には洞窟風の窓から日光が差し込んでいたのが好印象でした。
スチームサウナ、ドライサウナ、水風呂、大浴槽を備えた浴室。
うっすら緑色に見える無臭の湯は、ツルツルの浴感が顕著で驚きました。
塩素消毒の嫌な臭いは感じられず、立地を考えると期待を上回る湯使いでした。

2023年、報道によればこの奇跡のような温泉施設を取り壊し、住宅地を開発する都市計画が進行中であることが明らかになりました。
ロサンゼルス市民が同じ過ちを繰り返すか否か、注目される局面です。

まとめ
Beverly Hot Springs, Los Angeles, California, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:男女別
塩素消毒:感知せず
泉温:~41℃