テキサス州の州都オースティンの至宝。
高層ビルが林立するスカイラインを背景に、美しい天然の泉が湧いています。
メイン・スプリング
テキサス州会議事堂から車で10分もかからない場所にある公営のプール。
オースティン市民に愛され、同時に多くの論争の的となってきた場所です。
厳密には当ブログが専門とする温泉に含まれないものの、紹介しないわけにはいきません。
1917年に市に寄贈され、世界恐慌の時代に整備された、緑豊かなジルカー・メトロポリタン・パークの中にプールはあります。
週末、休日、特別イベント時には$5.00の駐車料金が適用されます。
市民でない場合、18~61歳の1日の入場料は$9.00でした(冬季を除く)。
ただし毎朝5~8時は"Swim at Your Own Risk"と称して、監視員がいない代わりに無料で利用できます。
1920年代に市は泉をせき止め、プール状に整備しました。
今日の建物は1947年に建設されたもので、プールを見下ろす高台の上に建っています。
男女別の更衣室も、歴知的価値がありそうな造形美に富んでいました。
全長約270mに及ぶ、細長いバートン・スプリングス・プール。
最深部で約5mの深さがあります。
泉温は年間を通じて20℃強。
泳いでいると場所によって温度が微妙に違うのが感じられました。
上流部はバートン・クリークで、川の水は通常プールに流れ込まないようにダムが設けられていました。
泉源となるメイン・スプリングはちょうど中央付近の監視台の辺りにあり、エドワーズ帯水層という地下水が自噴する地域の泉の一つです。
絶滅危惧種に指定されているサンショウウオが生息していることから、その保護のために様々な議論が交わされてきました。
かつては塩素消毒を行い、定期的に強い水流でプール内の藻を洗い流していたことにより、神秘的なまでに透明な水の色が見られたそうです。
それがサンショウウオの生態系に悪影響を与えるとされ、現在はより自然に近い形で運営されています。
実際、周辺の都市化に伴うエドワーズ帯水層の汚染もあり、プールの水は暗緑色の見た目をしていました。
イライザ・スプリング
メイン・スプリングに隣接した小規模な泉、イライザ・スプリングは、1900年代初頭より特徴的な円形劇場型に整備されました。
現在はサンショウウオの自生のために立入禁止となっており、フェンス越しに眺めることしかできません。
まとめ
Barton Springs Pool, Austin, Texas, U.S.
私の好み
種類:日帰り
ルール:水着着用
塩素消毒:なし
泉温:~23℃
ホット・ウェルズ・ホテル&スパ
オースティンにほど近いサン・アントニオには、40℃の硫黄泉が湧いていました。
もっともそれは2013年に泉源が埋められるまでの話で、当地の歴史的な温泉ホテルは遺構として保存されています。